ググって解決できる問題はそこにはない。バングラデシュで出会った少年から学んだこと。

みなさんは、よくこんなふうに思いませんか?

何か問題が起こってもそれに対する解決策は必ずあって、誰かがそれを知っているだろうからとりあえずググればなんとかなる

今日は、ぼくがバングラデシュで出会ったある男の子から学んだことをつづりたいと思います。

バングラデシュでのスタディツアー

ぼくがバングラデシュをスタディツアーで訪れたのは、2013年の春。

スタディツアーとは、主に途上国でNGOが活動する現場を視察したり、ボランティア活動などを行う旅行のことで、 体験学習や現地の人々との相互理解を目的としています。 一般のツアーとの最も大きな違いは旅行の目的です。 一般のツアーは観光が主な目的ですが、スタディツアーは旅を通して「学ぶ」ことが目的です。(参考:関西NGO協議会

大学で途上国開発を学んでいたけれど、実際に途上国にいるわけでもない自分に悶々として、日本の某ベンチャー企業が企画したスタディツアーというものに初めて参加してみました。

実際そのスタディツアーの中身はかなり濃くて、ノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行のユヌスさんにお会いしたり、

ダッカ市内のストリートチルドレンに教育を提供しているNGOを訪れたり、

スラム街を案内してもらったり、

バングラデシュの人々の暮らしを実際に感じることができました。

バングラデシュの児童労働問題

当時、そして今もこのバングラデシュで最も大きな問題の一つになっているのが児童労働(Child Labour)です。

児童労働とは、義務教育を妨げる労働や法律で禁止されている18歳未満の危険・有害な労働のことです。世界には1億6800万人、世界の子どもの9人に1人が児童労働をしているといわれています。(参考:児童労働入門講座

このスタディツアーでは、夜はホテルでその日に訪れた場所や聞いた話から何を学んだかを学生同士で議論する時間が設けられていました。

その日は「どうやったら児童労働って無くせる?」というテーマ。

「やっぱり親が子どもを働かせるんでしょ」
「教育の重要性への理解が足りないんだよ」
「じゃあそういう意味では、親に対する教育が必要だよね」
「そもそも学校の質が低いんじゃないかなぁ」
「雇う側に問題があるんだ」

ぼくたちは、こんなことを延々と話し合いました。

どんな原因があるのかを確かめるためにぼくはググってみました。

  • 貧困
  • 「子どもは働いて家族を支えるべき」という伝統・慣習
  • 親の認識がたりないこと
  • 法律の不十分な施行
  • 安い労働力への需要
  • 教育の機会、設備の不足

このような原因が列挙されていました。

児童労働について頭の中で考えを巡らせながらも、原因が“わかったこと”に少し納得して、その日ぼくは眠りにつきました。

 

その次の日は、現地の大学生達との交流会でした。

ダッカ大学というバングラデシュのトップ大学の学生たちは英語を軽々と話せます。

ダッカの大学生たちと児童労働を含めたバングラデシュ国内の社会問題のテーマについて話し合う場だったのですが、ぼくは当時英語があまりできなかったので、なんとか自分の拙い英語を使おうと四苦八苦していました。

1人の男の子との出会い

そんななか、5〜8歳くらいに見える男の子が、バングラデシュ名物のチャイという飲み物を日本人学生とダッカ大学の学生たちに配っていました。

まだ平日の午前でした。

「あれ?これってまさに児童労働なのかな?」と思い、ダッカ大学の学生に通訳を頼み、恥ずかしそうにぼくをみつめるその男の子と少し会話をさせてもらいました。

 

ぼく:「ここで働いてるの?」

男の子:「そうだよ」

ぼく:「学校には行きたくないの?」

男の子:「行きたいよ」

ぼく:「親が行かせてくれないの?」

 

 

 

 

男の子:「ううん、親はもう死んじゃったんだ」

 

 

 

ぼくは返す言葉がありませんでした。

その男の子がすでに親を亡くしているという発想を全く持っていなかったからです。

 

ググって解決できる問題なんてそこにはない。

ぼくがこの男の子から学んだのは、バングラデシュの児童労働問題の根深さと、何かを勝手に決めつけてその答えを知っていると思い込んでしまう自分の愚かさです。

100人の苦しんでいる子どもがいれば、100通りの現実がそこにある。

その男の子が直面していたのは、親の教育への理解不足でも学校の質でもありませんでした。

そこには親を失った悲しみと、学校に行く代わりに労働をすることでその日を生き延びなければならない厳しい現実があったんです。

 

途上国開発に「この問題にはこれ、あの問題にはあれ」といったような1対1の解決策はない。

そして、

ググって解決できる問題なんてそこにはないんだ。

そんなことを考えさせられました。

 

ぼくは2017年9月から協力隊でスーダンに派遣予定です。先入観で物事を決めつけることなく、一つ一つの現実と丁寧に向き合いながら、活動していきたいなと思います。

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ABOUTこの記事をかいた人

個人ブログ『Backyee.com 』で日々好きなことを綴っています。2017年9月より青年海外協力隊コミュニティ開発でスーダン・カッサラへ派遣予定です。あまり目立たないけど実は貢献してる、マケレレのような存在になるのが夢です。