今日は、IELTSスピーキング試験の採点基準シリーズのラストです!
過去の記事からの引用ですが、IELTS Speakingは次の4つの基準で採点されています。
この記事では、4つ目の採点基準『発音(Pronunciation)』について解説します!
『発音(Pronunciation)』
この『発音(Pronunciation)』に関しては、多くの人が“アクセント”を気にしがちです。『発音(Pronunciation)』では、確かにアクセントも大事なのですが、他にもスコアに影響を及ぼす重要な要素があるので、まずはそれを確認していきましょう。
- 試験官がいかに容易に受験者の発音を理解できるか
- 単語の強勢
- 文の強勢
- イントネーション
- 母語のアクセントの形跡
これらがこのセクションでの重要な要素になっています。
スコア6レベル
スコア6レベルでは、
- 試験官は容易に受験者の英語の大半を理解することができる
- ある程度、正しい単語の強勢と文の強勢で発音している
- ある程度、英語の正しいイントネーションがある
- 重要な意味を強調するために、イントネーションや強勢を何度か使っている
- いくつかの単語の発音は間違っている
- 母語のアクセントの形跡がみられる
この『発音(Pronunciation)』でスコア6を取るためには、試験を通して試験官に自分の英語がきちんと理解されるようにはっきりと話すことです。スコア6レベルでは、ネイティブスピーカーのアクセント(イギリス英語、アメリカ英語、オーストラリア英語など)を使えなくても大丈夫なので、できるだけはっきりと発音するように心がけましょう。
スコア7レベル
スコア7レベルでは、
- 試験官がほぼ全ての受験者の英語を理解できる
- ある特定の意味を強調するために、正しい単語の強勢や文の強勢、イントネーションを用いて発音することができる
- 意味に違いを持たせるために、話すスピードを上げたり下げたりすることができる
- 話し言葉を“チャンク”に分けることができる(下で詳しく説明しています)
- いくつかの単語の発音は間違っている
- 母語のアクセントの形跡がみられる
正直にいうと、日本で育ってきた人がスコア8より上のスコアを狙うのはかなり難しいと思うので、『発音(Pronunciation)』のセクションでは、このスコア7を目標にすると良いと思います。もちろん発音に自信のある方は、もっと上のスコアを狙っても良いと思うのですが、試験までの限られた準備時間の中で、発音の練習に時間を割くよりも他のセクション(語彙力UPなど)に時間を使うほうが、より効率的にIELTS Speakingのスコアアップを狙えるのではないかと思います。
下でもう少し具体的にどのようにスコア7を狙うかを解説しています。
スコア8レベル
スコア8レベルでは、
- 試験官が全ての受験者の英語を容易にはっきりと理解することができる
- 効果的に意味を強調したり変えたりするために必要な特徴(イントネーションや単語の強勢、文の強勢など)を用いて、発音することができている
- 意味を強調するために、効果的にスピードや音量、音調の変化を完璧に使いこなしている
- 母語のアクセントの形跡がみられるが、それが意味や理解には影響を与えていない
- 文のイントネーションにまれに小さなミスがある
このレベルの能力を示せれば、スコア8を達成することができます。
スコア9レベル
スコア9レベル(つまり満点です)では、
- ネイティブスピーカーとほぼ同じように発音し、意味をコントロールするために発音のあらゆる特徴を用いることができている
- ほんの少し母語のアクセントの形跡が見られるが、それが意味や理解には全く影響を与えない
このレベルになると、ほぼ帰国子女の方以外達成するのは難しいと思います^^;
スコア7を取るためには?
ここからは現実的なスコア7を獲得するための対策を考えていこうと思います。
①重要な意味を強調するために、音量と音調を変化させる
“I suppose that I occasionally read magazines but I rarely pick a newspaper.”
頻度に関する質問が出された場合、この例文の太字部分、副詞の occasionally や rarely の音量や音調をあげることで、質問に対する答え(ここでは頻度)を強調することができ、『発音(Pronunciation)』のスコアアップにつながります。
最初は難しいですが、意識して練習すれば少しずつクセ付いてくると思います。
②意味を強調するために話すスピードの変化させる
“I used to be quite into Yoga but more recently I’ve been getting into ballet dancing.”
この例文の太字のように時の比較を強調するために、used to や more recently のフレーズをゆっくりにしたり少し伸ばして発音するようにします。
こうすることで、日本語を話すときのように単調なスピードで話すよりも、よりネイティブスピーカーの話し方に近づくので、より高スコアが狙えます。
③話し言葉を“チャンク”に分けることができる
(I recently went on holiday to Hakodate)(which is a small town on Hokkaido.)(I guess it’s one of the most popular tourist destinations in North Japan because of local food.)(Of course, you can find a wide variety of seafood there, things like crab, shellfish, and lobster.)
文のそれぞれのチャンクが一つの区切りになっていて、このセグメントごとに話すように心がけます。
このようなチャンクを身につけるには、下の参考書がオススメなので、興味のある方は目を通してみてください。
チャンク英文法―文ではなくてチャンクで話せ!もっと自由に英語が使える
まとめ
今日は、IELTSスピーキング採点基準の4つ目である『発音(Pronunciation)』を取り上げました。正直なところ、発音って日本語のアクセントの影響をもろ受けやすいですし、改善できたとしても大人になってからだとかなりの時間がかかってしまうセクションだと思います。
なので、上のほうでも述べましたが『発音(Pronunciation)』の対策は最低限にとどめ、他の流暢さと内容の一貫性(Fluency and Coherence)や語彙力(Lexical Resource)、文法の知識と正確さ(Grammatical Range and Accuracy)の対策に焦点をあてるのが得策じゃないかなぁ、って個人的には思います!
ではでは!
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